カテゴリーなし

Z世代など若年層の女性を掴む、アプリのマーケティングを実現する秘訣とココネのカルチャー

ペティ・フロリアン氏のキャリアとバックグラウンドについて

ペティ・フロリアン氏は、ココネ株式会社のUser Acquisition Managerで、ココネが運営する、女性向けキャラクター着せ替えアプリ「ポケコロ」、姉妹アプリの「ポケコロツイン」をはじめとしたアプリのデジタルマーケティングを担当しており、主にユーザーの新規獲得に取り組んでいます。
母国のフランスから来日後、数年間フランス語教師を務めており、その後、語学力を活かして同社が運営するパズルゲームアプリ「猫のニャッホ」のフランス語バージョンのローカライズ担当としてココネに入社しました。ローカライズ業務に従事後、ココネのアプリ全般の海外展開強化におけるオーガニック獲得施策やFacebook での広告運用に取り組み、デジタルマーケティング領域に業務の幅を広げたことをきっかけにUser Acquisition Manager としてのキャリアを歩み始めました。デジタルマーケティングについては、始めた際は未経験だったため知識や運用に関する方法やノウハウを独学で身につけたところは、他のマーケターの方と違う部分でもあり、自分の強みだと思っています。

ペティ氏のインタビュー記事はこちらをご覧ください。

ココネについて

ココネでは、お客さまが、自分の好みのキャラクター(アバター)と、そのキャラクターが存在する空間(デジタルワールド)を作り、他のお客さまとのコミュニケーションが行える、CCP(キャラクター・コーディネート・プレイの意)ジャンルの若年女性向けのアプリを主軸に、パズルゲームや、ライブ配信など、多様なアプリを運営しています。現在は「ポケコロ」や姉妹アプリの「ポケコロツイン」を注力タイトルとし、主力となるCCPでは、ディズニーやサンリオとコラボレーションしたアプリも展開するなど、IPを活用したビジネスにも取り組んでおり、新たなファン層の獲得にも注力しています。

1. 『感性をカタチに。感性を身近に。』が会社のモットー、クリエティビティが高まる環境とカルチャー

ココネでは、「感性をカタチに。感性を身近に。」をモットーに掲げ、リアルの場ではなかなか表現できない「言葉や感情」を自由に表現できる「場」として、さまざまなアプリを提供・運営しており、「ポケコロ」をはじめとしたCCPでは、自己表現のためのアイテムとして、多彩なキャラクターや豊富なファッションアイテム、インテリアアイテム等を提供しており、提供アイテム数は約4万点にものぼります。
そういった、お客さまの感性を刺激するような「世界観」「情緒的価値」の創造を実現するべく、サービス提供企業としても、いかに作り手の感性を育て、磨いていくかといった部分を大切にしており、その一つの取り組みとして、オフィス環境の整備にも力を入れています。
昨年4月から使用している新オフィスでは、社員の成長と健康へのサポートを通じて、個々人が最高のパフォーマンスを発揮できるための環境づくりをコンセプトに掲げており、「暮らすように働く」を合言葉として、ヘルシーな食事を提供する社員食堂や、マッサージルーム、ライブラリスペースをはじめ、ボルダリングエリア、運動を通じてコミュニケーションが図れるジムや、いわゆる“飲みニケーション”が可能なバーまでが設置されています。
社員が気軽に集い、リラックスできる様々な空間を通じて、普段関わることのない社員同士のコミュニケーションも生まれますし、リアルで会って議論をして、そこでの刺激や感情を大切にしながら、良いものを作り上げていくための環境面の質の向上は、まさに「感性」を大切にする会社ならでの取り組みであると言えます。

2. デザイナーと綿密な連携で進めるマーケティング施策の実施

CCPは、特定のゴールが存在するゲームとは異なり、お客さまが没入できる世界観の提供や、多様な自己表現のニーズに応えられる豊富なアイテムといった、コンテンツ制作力が肝となります。
このようなポイントを実現するため、ココネの組織体制としては、社員の約45%がデザイナーとなっており、これは、他のアプリ・パブリッシャーにはないココネならでは、の独自性と言えます。
マーケティングチームも約半数がデザイナーで、SNS公式アカウント向けのクリエイティブ、広告クリエイティブなど全て社内で完結が可能な体制となっています。
これにより、プロダクトからマーケティング(コミュニケーション)のあらゆる側面で、ブレないメッセージングや世界観の訴求が実現しており、ユーザーエンゲージメント向上における一つのキーとなっています。
マーケティングチームでは、チャネルの選定からキャンペーンの策定、それらを踏まえたクリエイティブの制作、効果検証までのPDCAを、デザイナーと密に連携して実施しています。
その中では、「何が良かったかだけではなく、なぜそれが良かったのか」といった部分に重点を置きつつ、1人の意見だけではなく、必ず複数人の意見を集めて仮説立てを行い、ネクストアクションを策定しており、
それにより、高い精度で迅速なPDCAサイクルを実現しています。
施策を展開する際には、プロダクトチーム、マーケティングチーム、コミュニケーションチームが密に連携をして、効果的な訴求方法を探っていくといったスタイルで進行しています。また、プランナーだけでなく、デザイナーが獲得経路の分析まで担当しており、デザイナーがクリエイティブに対するお客さまの反応をダイレクトに数値として把握することが可能になることで、データドリブンなクリエイティブの実現にもつながっています。

3. 若年層の趣味嗜好を知り、理解する

収益化までのリードタイムが長い傾向になるアプリ内課金モデルでは、深いお客さまへの理解ならびに、エンゲージメント向上への取り組みが欠かせません。
そのため、お客さまの属性データ等の定量的なデータのみならず、定期的なお客さまへのアンケートやヒアリングを通じて収集する、生の声といった定性的データも併せて分析を行い、ユーザーインサイトをきちんと踏まえたプロダクト開発やマーケティングに、特に注力しています。
例えば、若年層が好きなアニメ、映画、IP、最近の流行、どんなアプリやSNSを使っているかを詳細にリサーチするようにしていて、どのようなアプローチが効果的か仮説を立てた上でパートナー先の選定、アプリ内での企画、デジタルマーケティグ、配信やCMなどを一貫して考えるようにしています。
過去事例ですと調査段階では、お客さまを課金されている方と非課金の方とで段階別にセグメント分けし、課金額が大きいお客さまに対してアンケートを実施しました。彼らが好きなものをリサーチし、インサイトを得た結果、導き出した特定のIP、潜在的に課金を見込めるお客さまに対してそのIPキャラクターや世界観を訴求するクリエイティブを出してサービスの価値を高めることで、いわゆるヘビーユーザーに育てる施策を実施しました。クリエイティブ制作についても、よく課金されているガチャを特定し、実際のお客さまの行動から仮説を立てた上で訴求するクリエティブに反映するようにしています。

4. 長期的な目線でお客さまの育成を考える

インストール後はリテンションをKPIとして見ていて、また、どのチャネルでリテンションが高いかはきちんと把握するようにしています。「ポケコロ」に関しては、VVIPと言われるほど課金をされるお客さまと無課金のお客さまの差が激しいこともあり、比較的回収期間が長めになる傾向があります。そういった傾向を踏まえて、30日目のROASで効果測定するようにしています。会社の方針として、長い目でみたお客さまの成長を考えているので、例えば、若年層の無課金の方なども含めて潜在的な課金につながるお客さまについても大切に考えています。デジタルマーケティングは、集客がメインになるので、アンケートなど幅広い既存のお客さまからのリアルな意見に常日頃向き合うようにしています。また、前述にもあるように、長期的な育成を考慮したポテンシャルのあるお客さま(若年層)の理解は重要だと考えているので、(若年層の)すぐに課金を見込めないお客さまに対しても、最適なアプローチ方法を模索しています。

まとめ

ココネでは、企画、開発、クリエイティブ、マーケティングそれぞれのチームが密に連携しながら一貫したサービス提供を行っています。インハウス化により、よりスピード感を持ってPDCAをワンストップで行えるようになっています。会社の方針としても長い目でお客さまの成長を考えており、いわゆるヘビーユーザーだけではなく、潜在的な課金転換される方を含めたお客さま全体を大切にしている”カスタマーファースト”な視点でマーケティングコミュニケーションを行っています。
特に、現在ココネがターゲットとしている若年女性層は、トレンドに敏感で、その嗜好性や行動の変化がより如実にアプリの使い方にも影響します。そのため、お客さまに寄り添ったヒアリングやアンケート、社内のデータを通じて、彼らの嗜好や考え方を随時把握・アップデートし、プロダクトやマーケティングに施策として落とし込んでいくことが重要です。
また、デジタルマーケティングにおいては、データ分析が非常に重要なものとなります。リアルなお客さまのデータはもちろんですが、ユーザーの獲得後に取得する各指標の定義は自社が基準とするものと合致しているかを確認するなど、細かな効果測定や分析が必要となります。アドフラウドの対策ができる媒体を選定するなど、マーケターには多くのチャレンジがありますが、そういった綿密な調査や分析がなければ、最適な媒体やチャネルへの投資は難しくなり、マーケティングそのものを最適化することに繋がりません。適切なデータを取得し、そのデータを仮説検証して実際の施策に反映することでデジタルマーケティングとしてはより適切なお客さまにアプローチできるのではないかと考えています。